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損な名前だと思うんです。。

化学染料とはその昔、ドイツの学者さんが発見されたことからはじまった合成染料です。化学や合成となにかと危険な香りのする名前ですが、他に適した名前が見当たらないので化学染料って呼んでます。損な名前ですよね。名前だけで毛嫌いしないで中身も見てあげてくださいね。
色鉛筆

そんな肩身の狭い化学染料なのですが、意外といい奴なんです。
何より鮮やかに染まる!天然染料に比べ簡単!そして強いんです。
天然染料の色は、その1つの色に様々な表情があり、深みがあって、1つの色でも勝負出来る染料です。料理で例えると主菜のメインプレートと言う感じでしょうか。

対して化学染料はワンプレートに、あれやこれや、いろんな色を組合わせて楽しむ時に適しています。織物の仕事でしたら染めた糸を保存しておけるので、天然染料でもいろんな色を染めた糸を組合わせて織り上げることは、それほど難しくは無いのですが、一枚の布に天然染料で多彩な色を染めるのは結構大変なしごとです。

発色が奇麗ということも特徴の1つです。ご家庭のプリンターの多くは「染料インク」が使われていますよね。だからプリントした紙を濡らしてしまうと、色が滲んでしまいませんか。直射日光の当たるところで放置すると色が褪せてしまいます。
布染める時と印刷ではもちろん染料も定着方法もちがうのですが、基本的に染料は顔料よりも耐久は弱いけど、発色はきれいなのです。
その化学染料の中にも様々な種類があるのです。染める色や繊維によって様々な種類がありますし、各メーカーさんの品質向上も進んでいます。また逆に環境問題や費用対効果、時代の流れなど、現在は使用されなくなったものもあります。
たまにアジアの雑貨屋さんなどで購入した洋服などを洗濯して色がすごく落ちたり縮んだりしたことがありますね。技術や考え方のお国柄ってこともあるのですが、海外で製造される安い染料などは激しく変化します。染料によっては廃水日本の染料はきちんと染めれば強いです。さすがはmade in JAPAN!ですね。とはいえ、色によっては強弱はあります。赤系の色は日光に褪せやすいです。町中には赤文字だけが消えてしまっている注意書き看板を見かけたことはありませんか。
もちろん紫外線に強い染料もありますが、ちょっと頭の隅にメモしておいて下さいね。

化学染料でもうまく配合して天然染料のような色合いを染めることができます。日本人的にはこのような色合いが好みです。東南アジアの染めもの屋さんでは『ジャパンカラー』と呼んでました。お国柄というか、所変われば人の好みもかわります。それこそ世界中の染めもの屋さんが、染料メーカーさんがイロイロな染料を使ってイロイロな色を染めることができるようになり、好き好きはともかく、蛍光色だって染めることができる化学染料の世界です。