暖簾/

のれん N-4701

ここ山梨県では昨年2014年2月の大雪で一時「県丸ごと陸の孤島」になってしまったことがあります。
金沢市に暮らしていた頃も北陸だけあって雪には慣れていたので、備えもあっていつも通りの染めもの生活は無事だったのですが、唯一地味なところで思わぬ雪害に見舞われました。

n4701

N-4701

金沢に暮らしている頃は、雪が降ると必ず家の前を「雪かき」します。
北陸という土地柄、主な道には融雪装置が設置されていてるのですが、
当時のわが家は町並みの一番外れ、わが家を過ぎると卯辰山という小さな丘に続く細い道になります。

村上春樹さんの小説「ねじまき鳥クロニクル」では、雪かきはなんだかとても非生産的な仕事として描かれていたように記憶してますが、僕自身はこの雪かき的な仕事は苦痛ではないのです。

学生の頃、専攻課程で染色を専攻するか、染織(織物)を選択するかでかなり迷いました。
染色の仕事は最後の最後、洗い終わるまで作業の結果が見えてこないことも多くあります。その分、洗い上げたとき、乾燥まで終った時の喜びは得難いものがあるのです。
反面、織物の仕事は毎日、たとえわずかでも進み具合が目に見える、定規で測って数字にも出来るという、着実に前に進んでいる実感があります。誰も褒めてくれないけど、自分が前に進んでいるって幸せなことだと思います。

染め織り、それぞれに沢山の魅力があるので、こればかりで判断した訳ではないのですが、
高校生の頃から平面デザインの世界に興味があったことから、臈纈(ロウケツ)染めを専攻することになりました。

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そんな自分語りはともかく、話を戻して。。
昨年の大雪でがんばって雪かきも雪下ろしもしていたのですが、その後の雪解けとともに、残った屋根の雪がわが家の雨樋をひん曲げてしまったので、今でも雨樋から上手く流れない雨水がポタポタと落ちてくるのです。

ようやく暖かくなってきた春の日に、
ご近所からハシゴをお借りしてきて、曲がっちゃった雨樋のあっちを上げてこっちを曲げてと、なかなか素人にしては上手く修理出来たと思っていたのですが、雨の日には別のところからポタポタ落ちてくる始末。。

洗ってみると予想に反して上手く染まらないこともあるのが染色の世界です。
陶芸の世界でも最後は「窯の火」に委ねる宿命です。
計算して準備してコントロールしているはずなのに、ほんの少しの角度の狂いで全然役立たなくなるのが、選んでしまった「雪かき」と異なる僕の仕事なのです。

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N-4711 墨染

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タペストリ T-4711 墨染

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なかなか好評でしたので松煙墨で染めたバージョンの4711シリーズ。

さて、この未だに解決してないわが家の雨樋です。
ゴールデンウィークには近所の工務店さんに長ーいハシゴをお借りして、高所がとても苦手なこの僕が修理しているのに、いまだに上手く流れてくれないわが家の雨樋。梅雨に入るまでにはなんとかしたいと思います。

ご注文はこちらオンラインショップから承ります。

  • 品番
    N-4701 / N-4711
  • サイズ
    約88x130cm / 約90x130cm
  • 素材
    手織り苧麻布 生平(薄手) / 白次麻(白地やや厚め硬め)
  • 価格
    ¥27,500
  • オンラインショップ ヤフー店

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