のれん N-5223
スタジオモフサでは型もプリントも使わず一つひとつ手で染めています。同じものを沢山つくるのは得意ではありません。
N-5211 松煙墨
松煙墨で染めた暖簾(のれん)、十文字シリーズのN-5211番。
スタジオ モフサで染めている暖簾は型や判、プリント等を使わずに手描きで染める暖簾なので、本来はこのような連続した模様は得意ではありません。連続する模様は「木版更紗」とか「長板中形」等のいわゆる「木版染」や「型染」が本来得意とする図案です。
スタジオ モフサでは臈纈染(ロウケツそめ)という、溶かした蝋、和蠟燭の原材料でもあるハゼの実から作る木蝋などを、一筆ひとふで、染めていく、正しく言うと防染していくのです。
連続した模様を手で描いていくのですからとても効率は悪いのですが、連続した模様の面白さがあります。
同時に型や版とは違った表情がでてくるので、せっせと染めています。
N-5223 琉球藍 生平
同じ図案でも生地によって、染める染料によって、随分印象が変わります。
少し薄めの麻生地、生平(きびら)と呼ばれる撚りのかからない糸で織られた生地を天然の琉球藍で染めた暖簾N-5223番。
藍の色は深みのある濃紺のイメージがありますが、薄く染めると浅葱色(あさぎいろ)と呼ばれる様な、奇麗な水色に染め類ことができます。新撰組の羽織で有名な浅葱色ですね。
N-5221 ミロバラン 生平
ミロバランという木の実で染めたN-5221番。
東南アジアはタイ王国の古都、チェンマイの街でも良く見かける木の実で染めた暖簾です。
この染料はとても使い勝手の良い染材で、とある美大のお仕事で、これも東南アジアのミャンマー(旧ビルマ)の王立織物学校でのお仕事でも大変重宝した染材なのです。植物性の繊維にも良く染まり、発色も良く、手に入りやすく、耐久性も比較的良いので、僕の大好きな天然染料のひとつです。