のれん N-0905
ホントにファーストデザインとして息の長いシリーズのひとつです。
引っ越しするごとに住んでいる地方によって色使いが変化している自分史的な作品でもあるんです。
N-0905
N-0902 麻双布
N-0904
僕が生まれた神戸の町は、白鶴や剣菱など老舗の酒蔵メーカーさんが多い「灘(なだ)」と呼ばれる地域です。お水が美味しい地域らしく、小さい頃は道路の側溝に流れてるホントの「六甲の天然水」をそのまま飲んでいたりしました。胃カメラで引っかかったピロリ菌の原因はここにあったのかもです。
染色において水の品質で発色される色が変化することはあります。特に天然染料で染める場合は水に含まれる鉄分や石灰分に色素が反応して思ったよりも濁った色になってしまいます。軟水である日本ではあまり感じませんが、海外で活動している際にはミネラル分を多く含む硬水、なかでも多く含まれる石灰分には悩まされました。
今の日本では、ほとんどの地域で良質な水が手に入りますので、それほど水の影響はありませんが、どちらかというと暮らす僕の心境が使う色に影響されて変化しています。なんだか色がかわったなーと感じたら、僕の暮らしに変化があったのだと思ってください。