のれん N-6111
墨染めシリーズは松煙墨(ショウエンボク)といって松の根を燃やした煤から作られた墨を使って染めています。染料に比べて透明感は少なくマットな色合いが特徴です。
右からN-6111, N-0610, N-1604
N-6112
どうして墨染めは染料と異なり、マットな感じに仕上がるのか。
染料に対して墨は「顔料」という区分に含まれます。「顔料」って聞いたこともある言葉ですが、身の回りにある「絵の具」や「ペンキ」のことだとイメージしても良いと思います。
素人が日曜大工でペンキを塗ったりすると薄いところと濃いところができてムラになったりします。それが「良い味」になったりしてそれはそれで良いのですが、プロが塗ると均一に奇麗に塗ってくれます。
墨染めも基本的には均一に染めているのですが、すこしだけ強弱をつけています。それでなくとも染料よりも色素の粒子が大きい顔料なので色の粒にできる光の陰影がマットな雰囲気を作ってくれます。
この陰影が「墨は七色に光る」と言われる墨なのです。