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染料と顔料って違うんですか?

スタジオモフサでは天然染料だけでなく、化学染料も墨のような顔料もいろいろ使って染めています。
さて、その染料と顔料の違いってなんなのでしょう?

墨刷毛
このスタジオモフサのホームページでは、染色と染織とか、一般の方ではちょっと区別のつきにくい言葉がでてきます。
染め物の世界をお話しするのには、どうしてもでてきちゃう専門用語だったりもします。できるだけわかりやすく解説するように、ちょっと専門の方から見ると??となる大ざっぱな解説になってますが、こんな感じなんだなーって程度に思って下さい。学校のレポート等に引用する時は、ちゃんとした書籍などで体系的に勉強してくださいね。

さて、顔料とは、墨とか弁柄のようないわゆる「えのぐ」ですね。絵の具って聞くと、小中学校でつかったこともある、いわゆる水彩絵の具とおなじなのですが、いわゆる水彩絵の具には製品として染料分がすこし配合されていたり、純粋な顔料ではないのです。ですから一般的なイメージとしては、墨や日本画の岩絵の具のような顔料をイメージして下さい。
ちなみに横道になっちゃいますが。。書道をされている方には常識ですが、墨と墨汁は全然別物です。また別の機会にまとめてみようと考えてますが、墨染めと名乗っていても実は墨汁でそめられている染めものもあったりしますので、このあたりの区別は見る方向によってはイロイロだったりします。

で、顔料は染料と違って水に溶けないですから(溶解しないということですね。)、水に入れて混ぜてもしばらくすると沈殿してしまいます。逆に染料は完全に溶けるのでしばらくしても沈殿することはありません。
イメージがつかみにくいですが、お料理で使う「片栗粉」を水で溶いてもすぐ沈殿しますよね。これが水に溶けない顔料。対してお茶は翌日になっても、味や香りはともかく、沈殿しちゃうことはないですよね。塩も。こちらが染料。厳密に言うとちょっと正しくはないですが、こんなイメージで大丈夫です。

染料チームは水に溶けると分子レベルで変化するのです。化学変化をおこしてイオン化するってヤツです。それで布や糸に化学変化して結合することで、色がつくのです。ちょっと難しい言葉が続きましたが、気にしないで進んで下さい。

たいして顔料は水の中にそのまま粉の状態で漂っているだけなので、布や繊維に固定するのには「糊」の役目のものが必要です。お習字の墨や日本画では「にかわ」を使います。染物にはいろいろとあるのですが、大豆を潰して絞った汁を使います。顔料は摩擦には弱いですが、もともと安定した粉なので日光には比較的強く日当たり良好の場所には向いているのです。

染料のほうが色の発色という点では奇麗なのですが、強さということでは顔料に軍杯があがります。
それに色素の粒が張り付いているわけですから、染料の色よりも深みというかマットな存在感のある色になります。逆に染料の色は色素が繊維の中に浸透しているので顔料の色素の粒の発色に比べて透明感のある軽い感じになるのが一般的なのです。