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2021 良いお年をBuon anno

こんな1年になるとは思いもしなかった2020年、皆さんはどんな1年でしたか?2020年に人気のあった作品たち。

★第3位★
アマビエ のれん 

N-3111/N-3101

のれん N-3101 疫鬼退散 終息祈願 アマビエ

2020年を象徴するのれんです。
イタリア北部のロックダウン下の小さな街に暮らす学生時代の友達のことを想いながら製作した図案です。
アマビエという疫病などを予言する妖怪なのです。
のれんに染められている4匹に妖怪たち、実は文献にある姿とは全然異なります。

文献ん描かれている姿からイメージを膨らませていくつか描いてみたのですがなんだかあまり可愛くない楽しくない。
もともと江戸のお役人が描いた「写し」でもありますし、もののけ妖怪の類なので可愛くなくて当たり前なのかもしれないけれど、
うちの作風に合う奇妙だけれどなんだか愛らしいアマビエさん達を描いてみました。楽しい=33

海辺に現れた妖怪ということで青いのれんn-3101と墨染めN-3111の2種類です。
墨染めのもののほうが紫外線にも強いということと室内に合わせやすいということから人気でした。

★★第2位★★
n2911

のれん N-2911
のれん N-2811

アパレルやテキスタイルの世界では、織物にしても染物にしても基本的に繰り返しパターンの図案が製作されます。
これはお商売的なこともあり、模様や色の「型」を繰り返して図案化し大量生産に適した方法です。
染めものの古典的な技法ですと紅型や長板、伊勢型紙が有名ですか。少し工業的ですと捺染やシルクスクリーン、手ぬぐいの注染も人気ありますね。

対して高級呉服の友禅染めみたいな全て手描きで染める手作業の布達は型を使わないので、
基本的に繰り返し模様は使わず、一枚絵のような図案になります。

スタジオモフサのような家庭内手工業や手作業の布達は、繰り返し模様は適してないのですが、
手作業ゆえのブレや歪みなんかが良い味になったりします。
またわざと変化や抑揚をつけたりしながら図案化して製作します。

そんな変化のある図案を松煙墨というムラのある顔料でそめることで深みのある染めができます。
この松煙墨という顔料、いわゆる墨汁とちがって松の根を燃やして作る青い墨。
あまり我の強くない優しい存在感な色合いでインテリアに馴染み人気があります。

製造元が廃業されてどうしょうかと途方に暮れていたのですが、
なんとかある程度手に入れることができ、嬉しくなって墨染めをバンバン染めています。

のれん N-2913
のれん N-2913-72
同じようにめんどくさくてムラのある琉球藍を使って染めているシリーズ。
こちらはちょっと個性がある若手芸人のような前へ前へ存在感のある色合いです。
暑苦しい時期にぴったりです。

N2813-72

N-2813-72

【2021新色】
地色に檳榔樹から鉄媒染で茶グレーに染めたバージョンです。
ちょっとアダルトな大人のあなたにオススメです。

★★★第一位★★★
n2101
のれん N-2101

一番人気がコレ?と不思議な顔をされることが多いのですが、
ファーストデザインシリーズ不動の人気、定番。
シンプルで程よい存在感、染めものの特徴であるグラデーションを滲み駆使した図案。
のれん、間仕切り、目隠しとして中心部が白くて透けにくい特徴も用途にぴったりのデザインが人気です。

実は簡単そうに見えるんですが、油断すると滲んじゃったり歪んじゃったりで、
ごまかしのきかない実に実に緊張して胃が痛くなる作品だったりします。

長く仕事をしているとついつい油断したりしてしまうのですが、
学生の頃初めて染めた初心にもどって作り続けたいファーストデザインシリーズです。

++
ここ数年というか10年以上、麻糸、麻生地の価格がジワジワと、
とても高騰してきまして、いろいろ工夫してやりくりしていたのですが、
にっちもさっちもいかなくなりました。
大変こころぐるしのですが、この夏から一部の価格を見直します。
気になってる方はお早めにお求めください。

++++
andrà tutto bene
まだ油断できない情勢ですが、心穏やかに風通しよく。
RESTIAMO A CASA(家で過ごそう)
ANDRÀ TUTTO BENE! (きっとうまくいく!)